From Vision to Idea: The Cognitive Process of Vision-Driven Idea Development 

(ビジョンからアイデアへ:ビジョニングによるアイデア開発における認知プロセス) 

 

6月10日〜13日に、Portugalにて開催される25th Innovation and Product Development Management Conferenceにて、上記のテーマで研究報告をさせて頂きました。添付はそのプレゼンテーション資料です。 

I presented the title research at 25th Innovation and Product Development Management Conference held in Portugal from June 10th to 13th. The attached is the presentation material.

Vision to Idea IPDMC 6.pptx (168348)

Vision to Idea IPDMC 6.pdf (426838)

Img res outline 93E7 on F.pdf (431454)

 

新製品アイデア開発における文脈想像の性質と働き

研究概要

2017年10月22日の日本マーケティング学会カンファレンス2017(早稲田大学)にて、本タイトルの研究内容の報告機会を頂きました(フルペーパー)。

アブストラクトは次です:

本調査では,ビジョニングやバックキャスティング等に共通する,まず未来の文脈を想像した上でそれを元にして対象についてのアイデアを創出するようなアプローチを文脈想像として捉え,創造的認知における想像に関する知見に依拠し,その性質と働きの説明を試みることを目的とした。文脈想像を活用した11の開発プロジェクトを含む14の開発プロジェクトを対象とした事例調査から,次の知見を導いた。

文脈想像によるアイデア創出とは,文脈の想像と,その文脈を実現する製品の想像という二段階の想像からなること,それぞれの想像の段階においては,カテゴリ知識の心的合成がなされること,創出されるアイデアの革新性とは,その文脈が想像される際にその心的合成元として用いられた未来顧客に関わるものや,開発者の主張に関わるもののカテゴリ知識に起因すると考えられることである。

このことから,イノベーションに繋がる革新的なアイデア創出のためには,製品の想像において,その心的合成元としてその設定された文脈が適切であるか、およびその文脈の想像において、その心的合成元として用いられたカテゴリ知識が適切であるかを検討することが推奨される。

Cont Img prese 2.pdf (643182)

Oral_FrontDisp51.pdf (895596)

www.j-mac.or.jp/conference/

新製品アイデア開発におけるイマジネーション活用の可能性

研究概要:

2015年5月31日の日本商業学会第65回全国大会(香川大学)にて、本タイトルの研究内容の報告機会を頂きました。

アブストラクトなどは次です:

1.はじめに

 新製品開発における市場機会特定の問題に対するアプローチの一つに、開発者の製品アイデア創出時の認知プロセスに注目するものがある。その中でも、本研究は特にバックキャスティングの際のイマジネーションの活用に注目する。ここでバックキャスティングとは、目標が達成された状態を想像し、その上でその将来像を実現するために必要なものを描く(Quist and Vergragt 2006)とされるものであるが、それはO’Connor and Veryzer (2001)やChandy and Tellis (1998)等が、革新的イノベーション創出に求められる開発組織の組織能力を主張する上で依拠する、開発組織kaihatuの一種の思考アプローチである。そのバックキャスティングとは、その一構成要素として開発者個人のイマジネーションを含むと言えるが、O’Connor and Veryzer (2001)等では焦点はあくまでも組織であり個人レベルでのイマジネーションを検討するものではない。

 一方、そのイマジネーションとは、認知心理学における創造的認知アプローチの一側面として、アナロジー思考や創造的視覚化などと並び議論されてきたものであり(Finke et al. 1992)、それはFinke et al. (1992)によっては、ある時点で知られていることを超えたアイデアや産出物を生成し体験すること、それは何らかのゴールに向けたものであることと定義され、それは既存の知識の枠組みに影響される特徴を持つことが説明される。

 この新製品アイデア開発におけるバックキャスティングの際のイマジネーション(以下、BCイマジネーション)活用の効果について、認知レベルで直接的に検討したものは見当たらない。Dahl et al. (1999)が、想像的視覚イメージ活用の効果について実験により実証しているものの、それはイマジネーションとは概念的に異なる。 

 そこで本研究は、開発者の認知レベルでの、新製品アイデア開発におけるBCイマジネーション活用の、アイデア創造性実現に対する効果を調べる。

日本商業学会全国大会報告論集2015年イマジネーション効果1.pdf (108,6 kB)

IG in FEP5handout.pdf (515,5 kB)

(2016年3月update)

本内容は公立鳥取環境大学紀要14号に掲載されました。

tkserv.kankyo-u.ac.jp/f/845/bulletin/014/027-039.pdf

新製品アイデア開発における視覚化活用と複数アイデア創出の効果

2014年11月23日(日)「マーケティングカンファレンス2014」(日本マーケティング学会)での研究報告機会を頂くことになりました。

研究要約は次です。

 本研究は、新製品アイデア開発における開発者の認知プロセスのあり方に注目し、アイデア視覚化活用および複数アイデア創出それぞれの効果および両方を組み合わせたときのアイデア創造性実現に対する効果を検討した。

 経営学部生を対象としたアイデア開発実験により、次の知見を導いた。一つ目に、アイデアの創造性を構成するアイデア新規性とアイデア有意味性のうち、アイデア新規性に対して、アイデア開発中の視覚化活用、複数アイデア創出はそれぞれ、効果があり得る。さらにその両方を組み合わせたときには、どちらかのみもより効果があり得る。二つ目に、アイデア有意味性に対しては、視覚化の活用と複数アイデア創出を組み合わせたときにのみ、その効果があり得る。三つ目に、視覚化の活用はより多くのアイデア創出に結びつくことはない。

 本知見により、新製品アイデア開発において、アイデア創造性(新規性および有意味性)実現のためには、アイデア視覚化と複数アイデア創出の両方を行うことが推奨される。

カンファレンス当日には、本研究内容をフルペーパー(2万字)で報告させて頂きます。

www.j-mac.or.jp/conference/conference2014/

当日の報告資料です。

VD in FEP 31.pdf (316575)

 

新製品アイデア開発におけるアナロジーと視覚化活用の効果

研究概要:

 本研究は、新製品開発プロセスの最上流に位置する新製品アイデア開発段階における、アナロジーおよび/あるいは視覚化の活用が、製品アイデアの創造性実現に与える効果を、実験により調べることを目的とする。

日本商業学会第63回全国研究大会(2013年5月) 報告資料

アブストラクト

プレゼンテーション

 

いかに市場機会を特定するかー新製品開発FEフェーズレビュー

(鳥取環境大学紀要, Vol. 13, 41-57)

tkserv.kankyo-u.ac.jp/f/845/bulletin/013/041-057.pdf

 

概要

新製品開発において、開発プロセスの起点となるFEフェーズ(市場機会特定からアイデア開発の段階)とは、その成否を大きく左右するきわめて重要な段階であることが指摘される。本稿は、この分野の国際的に主要な研究が集中するJournal of Product Innovation Management、Management Science、及び国内の学術雑誌である季刊マーケティング・ジャーナル、流通研究に掲載されたFEフェーズに関する研究群のうち主に1990年から2011年のものをレビューし、それらから導かれ蓄積されてきた知見を整理し、今後の研究課題を考察するものである。

 レビューにあたっては、FEフェーズを次の4つの段階にわけて行った。市場機会特定からアイデア創出にかけての段階、アイデア創出段階、アイデア選択段階、アイデア選択からアイデア実現にかけての段階である。その結果、市場機会特定からアイデア創出にかけての段階については、リードユーザー(LU)活用についての知見の蓄積が進んでいること、それに対して開発者資源活用の知見については未だ限られていること、アイデア創出段階については、アイデア創出プロセス管理の知見の蓄積は進んでいるものの、アイデア創出自体の知見は体系だってはいないこと等がわかった。

 そしてFEフェーズ研究の今後の課題として、1.LU活用アプローチの限界の検討、2.開発者資源を活用するアプローチの可能性の深耕、3.アイデア創出自体のメカニズムの解明、この3点を指摘する。